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ハワイ随一のグルメ通 ショーン・モリスさんの人気連載【ハワイ食べある記】 8/1号をアップしました!【カロ・ハワイアンフード・バイ・チャイズ】

僕には、屋外席のあるレストランしか利用しない友だち(大半が子持ち)が何人かいる。彼らと会食するときは、エアコンが欲しい自分の希望は二の次にし、あちらのニーズを優先して外で食事をすることにしている。

誤解してもらいたくないが、僕だってアウトドアダイニングには、それなりにロマンチックな魅力があると思っている。ただ経験からすると、欠点がいくつかあるのだ。まずは、風に吹かれて飛んでいく紙ナプキンに振り回されること。慌てて掴もうとしたら、まるで見世物小屋のフリークごときの格好になるし、追いかければ、下手クソなリバーダンサーが舞台を右往左往しているみたい。そんな無様な姿を人前に晒すくらいなら、足跡だらけの汚いナプキンを使った方がまだマシかもと思ってしまう。もうひとつは、ハエ。ピクニックもそのために避けるようにしているくらい苦手だ。理由は、僕の食事にたかる前にこいつはどこで何をしていたのだろうか、なんて余計なことを考えてしまうから。

しかし一番の問題は、レストランに設置されたパラソルの多くがテーブルと椅子をギリギリ覆えるか覆えないかのサイズであることだ。日差しとともに椅子を徐々に移動し、食事が終わる頃には、あたかもダビンチの“最後の晩餐”を再現しているかのように、全員がテーブルの片側に寄り添っている状態に…。それでも僕は我慢して、自分のわがままはさておき友だちの安心を大切にするようにしている。

最近、屋外席派の友だちと行けるレストランリストに「カロ・ハワイアンフード・バイ・チャイズ」が加わった。幸いにも、この店には建物の日陰側のパティオに小さな屋外ダイニングエリアが設けられている。オーナーシェフのチャイ・チャオワサリー氏は、素晴らしい味を創り出す敏腕料理人であるだけでなく、並み外れて親切かつ気さくな人で、僕は機会がある毎にできる限り彼をサポートするようにしている。だから、コートヤード バイ マリオット ワイキキ ビーチにハワイ料理をメインコンセプトにした店をオープンしたと聞き、迷わず向かった。

行ってみると、彼はヘレナズ・ハワイアンフードのオーナー家族の一員で、また以前には僕が大好きなハワイアンレストランで働いていたこともあった人を採用していた。そうと知ったからには、ピピカウラショートリブを注文しないわけにいかない。ちなみにこれは、カルアポーク、アヒポケ、チキンロングライス、ロミサーモン、ポイ、ライスがセットになった、ハワイ料理初体験者にもってこいの“ハワイアン・シグネチャー・サンプラー”にも含まれる。

味はヘレナズのに似ているが違ってもいた(馴染みのない客にはしょっぱすぎるように感じられるかもしれない)。聞いたところ、シェフ・チャイ自らが編み出したレシピで、手狭な厨房に合わせて調理法も調整したそうだ。僕らはこれが大いに気に入った。

カルアポークは、ほのかにスモーキーな味わい。アヒポケは、海藻とハワイアンシーソルトが完璧な塩梅で、刻みタマネギが甘みとテクスチャーを添えていた。チキンロングライスはハワイ版チキンヌードルスープ風で、ほっこりさせられる一品。あと、マウイオニオンといっしょに心持ちスパイシーなコチュジャンとごま油で和えたチャイスタイルポケ、塩味の効いた柔らかな豚肉をほうれん草のようなルアウリーフで覆ってからティーリーフに包んで蒸し上げたラウラウ、牛肉をトマトと根菜といっしょにゆっくり煮込んだローカル名物ビーフシチュー(お汁たっぷり版)、鶏肉とほんのり甘みのあるタロイモの葉をココナッツミルクで煮込んだチキンルアウを試した。

メニューには、これらハワイ料理の他にアジアンなアイテムが各種揃う。ハワイアンスタイルBBQチキンは超しっとり柔らかで、醤油ベースのタレがフリフリチキン風の味を醸し出していた。敢えて難癖をつけるとすれば、塩加減が日によってまばらだったこと。ロブスターリダクションで仕立てた柔らかな白身の味噌シーバスは基本的にアジアンテイストだが、マッシュドユーコンゴールドポテトとソースアメリカーナでアメリカンなプレゼンテーションに仕上げられていた。

何度か来店した中で一貫してポピュラーだったのは、イエローカレーにコナロブスターのメダリオンが浮かぶパイナップルロブスターカレー。バゲットが絶対合うと思うので、今度行くときは必ず持参するつもりだ。食に保守的な読者には、グリルドリブアイステーキ with ハーブバターもあるが、シェフ・チャイのシグネチャーディッシュであるナンプラーが微かに香るオックステールスープをオススメする。ローストハマクアマッシュルーム、ソテードカフクコーン、ガーリックヌードルなど単品メニューもすごくいけた。

シェフ・チャイの料理が大好きな僕は、結局4回通った。値段が高めなのがネックだが、場所がワイキキ中心であること、そして早い時間の予約がヘレナズでパーキングを見つけるよりもずっと簡単に入れられるということから、屋外派の友だちとの会食にちょうどいいと思った。パティオ席は結構風が吹くが、飛んでいったナプキンを追いかけて足で踏みつける役は、彼らにやってもらえばいい。そして僕は、それをファイヤーナイフ抜きのポリネシアンパフォーマンスだとでも思って楽しむか。

Kalo Hawaiian Food by Chai’s                        

カロ・ハワイアンフード・バイ・チャイズ

Phone:  (808) 931-6222

コートヤード バイ マリオット ワイキキ ビーチ 400 Royal Hawaiian Avenue

【営】毎日 4:30 – 10:00pm

【取扱クレジットカード】ビザ、マスターカード、JCB、アメリカンエクスプレス

ショーン・モリス

◎ マーケティング会社社長。ハワイ随一のグルメ通として知られている食いしん坊。
ソーシャルメディアも発信中
Twitter: @incurablepicure
Instagram: @incurablepicure

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2021年8月1日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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