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Bee’s Cotton Wrap オーナー 克子 リドル

オーナー

 

 

ラスチックの使い捨てを減らし、

体も地球も健康に

 

 

ノースショアに住む夫と2005年に結婚して以来ずっとノースショアに暮らしています。

 2011年に大病を患い、食を見直すようになりました。オーガニックを選び、添加物も取らないようにしていたのですが、数年後に再発。そこで気になったのがプラスチックに含まれる化学物質でした。例えば、日常的にプラスチック製の容器やラップを使って、ご飯を冷凍して電子レンジで温めることもどうなんだろう? と。

 一方で、ノースショアの農地での大量の農薬による土壌汚染のことを知ったり、ハワイに来たときから衝撃を受けていたハワイのゴミ問題を改めて考えたりするうちに、自然にも体にも優しいことを、自分ができる範囲でしてみようと思うようになりました。

 

自分が使うために作ったラップがビジネスに  

日々の生活の中でできることを調べてみると、昔の人たちは食品の保存に蜜蝋ラップを使っていたことを知りました。それに倣って作ってみたんです。そもそもノースショアはなんでも簡単に手に入るわけではないので、周りに石鹸などを手作りしている人もいて、その影響を受けたのかもしれません。

 試行錯誤しているうちに完成したのが『ビーズ・コットン・ラップ』という食品用ラップです。繰り返し使えて、材料の蜜蝋と自然の樹脂には自然の抗菌作用があり、食べ物の鮮度を保ってくれます。オーガニックのホホバオイルは天然の防腐剤と言われ、食品ロスを減らすことにもつながると思います。100%自然素材で作っているので最後は土に還ることができます。

 自分で使ってみてとても良かったので、友達にもプレゼントしていました。そのうちにもっと広められたら良いなと思うようになったんです。いろいろなお店に説明したところ、まずハレイワのお店が置いてくれて、そしてダウントゥアース、2年後にはホールフーズマーケットなどで扱われるようになりました。

 最初に日本の方たちに話したときは、「日本は使い捨て文化が定着しているからまだ早い」と言われたのですが、ここ数年は日本からオーダーをいただくことも増えました。

 ビジネスを目的に始めたわけではありませんが、気付けば5年。こうして体や環境への意識の変化を感じられるのが、何よりものモチベーションです。

 1枚ずつ手作りをしているので、大量生産できませんし、全てが順調に進むことはそれほど多くありません。そんな中でも大切にしているのは、以前聞いた「売るつもりで作るのではなく、買う気で作りなさい」という言葉。この1枚をどんな方が使ってくれるのか? 一期一会といいますが、初めて手に取ってくださる方も愛用してくださる方も喜んでくれるように、1枚1枚丁寧に心を込めて作っています。

 

昔の人のように自然と共に暮らす社会へ

現代社会はいらないものが多過ぎますし、食べ物の無駄もとても多いですよね。蜜蝋ラップを通して、それを少しでも減らすきっかけ作りができたら嬉しく思います。

 小さなことかもしれませんが、一人一人が使い捨てラップの使用量を1日10センチでも減らし、それを10人、100人が行えば、大きな影響力になると思いませんか?

 目指すのは、昔の人のように自然と一緒に暮らすこと。環境を壊さず、良い土壌で、安全でおいしい食べ物を作って、私たちも地球も健康になるという持続可能なサイクルにできたらいいですね。

 

 

 

 

Katsuko Riddle◎福島県出身。日本女子体育大学体育学部入学。高跳びの選手として陸上部に所属。卒業

後はスポーツインストラクターに。2004年12月にハワイのコミュニティーカレッジへ留学。2005年に結婚。2度の大病を患い、体に負荷の少ない食品用ラップ制作を始める。マノアハニーカンパニーの蜜蝋、オーガニックコットン生地、オーガニックホホバオイルなどで作るBee’s Cotton Wrapを2017年2月に立ち上げる。


※このページは「ライトハウス・ハワイ 2022年3月1日」号掲載の情報を基に作成しています。

 

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