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おおきに マネージャー 川端史緒

 

 

介護の仕事から大手企業の会社員、そしてハワイでおにぎり店オープンへ。
「ただいま」という気持ちになるような日本の味をハワイの皆さんに届けたい。

 

 

高校卒業後、福祉の専門学校へ進学、介護福祉士の資格を取得し、地元京都の老人ホームに就職しました。設立したばかりの施設だったため、入居者のスケジュールやレクリエーションを考えたり、職員みんなで施設を作り上げたりしました。職員も入居している方も良い人ばかり。自分の祖父母のような感覚で介護させていただきました。気力も体力も日々全力で出し切り、2年後、他の世界も見てみたいと思うようになり、介護の職場をいったん離れることを決心しました。

 その後、勤務したのは半導体の大手企業。受付でお客様のご案内をしました。朝8時から夕方5時までの定時勤務。もちろん夜勤もないという会社勤めが新鮮で、3年間楽しく華やかな生活を送りました。

 2005年に結婚退職。そして出産。子育てをしているときに、知人の紹介でハウスを手伝うことになりました。海外からのお客様の予約や観光案内など全般の業務に関わりました。いろいろな国からのゲストとの出会いと、彼らと過ごす貴重な時間が楽し過ぎて、ついには、自分でゲストハウスを立ち上げることに。それまで働いていたゲストハウスの方たちからノウハウを教えていただき、自宅を改装し、半年足らずでオープンに漕ぎ着けました。

 京都は世界中から観光客が集まる場所。多くの方が、京都で日本の旅の思い出を作って帰っていってくれる、素晴らしい仕事でした。一方で失敗も数知れず。ダブルブッキングもしばしば。そんなときは、自宅の一部屋を提供。家族も慣れたもので、サッと生活用品を片付けて協力してくれました。毎日各国から来る人たちの話を聞いているうちに、他国を見たいと思うようになりました。

 そんなとき、主人の先輩とハワイにおにぎり屋を出店することになったのです。主人の姉がおにぎり店を経営していたこともあり、夫婦で修業させてもらいました。そして、2017年にハワイへ移住しました。

 

海外生活、開店、子どもの学校にてんてこ舞い

 初めての海外生活をしながら店を切り盛り。13歳の娘と6歳の息子の学校のことも、何もかもが初めてでわからないことだらけでした。子どもたちは忘れ物が多く、日本では活発だった息子は、学校に迎えに行くと、毎日ポツンと一人でいました。「ニコニコしたらお友達ができるよ!」と励ますことしかできず、心が痛みました。休日も買い出しに行くなど仕事の延長に。私自身も心のバランスが取れなくなっていました。

 でも、スタッフやお客様、友人に恵まれ、開店1年を迎える頃には家族のペースもつかめるようになってきました。

 

「おおきに」を心に 新たな目標に向かって

 出店して1年半、日本の味でホッとしていただくために、おにぎりに加えて週替わり弁当を作ったり、デリバリーをしたり、皆さまからいただくアイデアを取り入れてきました。先日、日系人のケアホームを訪ねる機会があり、ハワイに日本食を求める高齢者が多くいることを知りました。なじみある和食を好む日本人や日系人の高齢者にも日本の味を届けたい。介護に携わっていた経験を生かして、高齢者が安心して食べられる日本のご飯を届けたい。今、新たな目標に向かってわくわくしています。

 これまで皆さんに助けていただいた感謝の気持ちを胸に、今後も仕事、家庭、子ども、自分の時間のバランスを取っていきたいと思います。

 いつも心におおきにを!

 

いつも日本で応援してくれる親友がハワイに来たとき。この写真に元気をもらっている

 

 

かわばた・ふみを
◎京都府出身。京都保育福祉専門学院を卒業後、介護福祉士の資格を取得。京都市内の介護施設に就職。2年後、ローム株式会社に転職。3年間勤務した後、2005年、結婚を機に退職。出産後、子育てをしながら知人のゲストハウスで働き始める。2014年に自宅を改装し、ゲストハウスとして営業開始。おにぎり店で修業後、2017年ハワイに移住。し2018年2月に『おおきに』オープン。

(2019年8月1日掲載)
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2019年8月1日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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