ハワイの海は特別な時空間 人生にアイディアを与えてくれる
サーフィンを始めたのは高校時代です。新島に行ったときに見たサーファーがかっこよくて、その後は埼玉県から千葉県の九十九里浜まで電車で通っていました。
高校卒業後はミュージカルの劇団に所属し、1990年にアラバマ州の短大へ入学。卒業後は台湾の大学への進学が決まっていたのですが、途中ハワイに立ち寄ったんです。ハワイでサーフィンをしたら、すぐにハマりました。なんともいえない開放感を感じさせてくれたのです。時間的にゆとりがあったので、ハワイ大学に短期間通ったところ、奨学金で入学できることになり、急遽進路変更しました。
それからはサーフィン三昧の日々。ノースショアのサンセットビーチでは波に巻かれ、大量の水を飲みながらも九死に一生を得たこともあります。なんとかビーチにあがり、海を見たときに思ったことは「もう一本乗ってから帰ろう」。海に入ったものの、さすがに恐怖で体が動きませんでした(笑)。
2009年、チャレンジのためにフランスに移住しました。パリコレクションなどの撮影を始め、パリに7年、その後ニューヨークに住みましたが、その間はほとんど海へ行けませんでした。夢を見るほどサーフィンをしたくて、ストレスがたまっていくのを実感しました。
ハワイに戻りたい!と、昨年帰ってきました。今もメインの仕事は地球の反対側パリ。時間も費用もかかるのに自分の居場所はハワイなのです。ハワイの海は日常とは違う時空間。物事を違う視点で見せてくれ、アイディアを与えてくれる。陸ではあり得ない自然美を持つ神秘的な場所です。
昨年12月、パイプライン・マスターズという大会で初めてサーファーの写真を撮りました。どこでどのタイミングで撮影するかがわかり、楽しかった! 後に賞をいただきました。
サーフィンは人生の一部。少しでも長く続けていきたいと思っています。
🏄♂️お気に入りサーフスポット
Koji Hirano
1968年長野県生まれ。1990年渡米、アラバマ州の短大を卒業後、1993年ハワイ大学編入。観光経営学、芸術学部彫刻科を修了。2009年パリへ移住し、2016年ニューヨークへ。パリコレ、NYコレクションなどの他、熊野古道など日本を撮影、個展開催、写真集出版。2015年には映画監督として『たまご』を制作、各国で上映。数々の賞を受賞。彫刻家でもありJR駅に石彫設置。
(2018年5月16日掲載)
※このページは「ライトハウス・ハワイ 2018年5月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。