「人から嫌われること」は良くないことと思っている人が多いことでしょう。でも実は「嫌われることを恐れる」ことで自己の成長が妨げられてしまうのをご存じですか? 心理学の三大巨頭であるアルフレッド・アドラーの思想について書かれた「嫌われる勇気」という本を私が読んで気づいたことをお話しします。
日本人は並列を好み、個性的で飛び出てくる人は上から叩かれる風潮がありますから、人々は飛び出ないように〝普通=無個性〟になっています。けれども無個性では他人の印象に残りません。印象に残らなければ自分のことはすぐに忘れられてしまい、埋もれて終わってしまいます。ですから、むしろ人より飛び出て周りから嫌われたら、個性を打ち出しているということであり、〝変人〟と思われるぐらいでちょうど良いのです。私の母は、初めて私が社会人として家を出る朝に「10人のうち7人は敵と思いなさい。3人にしか好かれません。それを覚悟して仕事にのぞむのよ」と言いました。今になってその言葉の意味が良く理解できます。
では、なぜ人は嫌われることを恐れるのでしょう? それには3つ理由があります。
一つは「自信がない」。現状の自分を認めて、未来の自己成長に期待できるようにならなければ自信が持てませんね。
二つ目は「向上心がない」。何かが「達成できた」という喜びがなければ、成長できませんね。そういうときは「他人のために役に立つことをする」ことです。そうすれば成長できる機会が増えますよ。
三つ目は「執着心が強い」。嫌われたくないという執着心が強くて、誰にでも好かれていると安心する人は〝八方美人〟。こんな人は心の内で実は何を考えているか分からないので、気を付けたいです。私が一番なって欲しくないタイプです。
こうならないために「嫌われる勇気」を持ちましょう。あなたの言っていることが自分の成長に繋がることであれば、支持してくれる人は絶対いるものです。人から好かれれば好かれるほど、別の人には嫌われていくのが普通です。アンチが付けば付くほど、熱狂的ファンが増えるのです。このようにポジティブに考え、本当に自分を好いてくれている人が5本の指ほどいれば良いと覚悟をしましょう。
人生はジャーニーです。その中で「嫌われる」ということは、成長していく過程での一種の儀式。人は嫌われることを避けては通れない宿命なのです。人はそれぞれ違いますから全員から好かれるのは到底無理です。社会では飛び出て打たれることで、自分は打たれ強くなれますし、嫌われたら一旦反省して今後をどう進んで行くのかを考えて行動すれば、どんどん成長していけるのです。
価値観が多様化しているこの時代、〝普通〟でいたいと思っている人はその考えをゴミ箱に捨てて好奇心と勇気を持って本音で生きましょうよ。
(2017年10月1日掲載)