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「いいね!」は本当に〝いいね〟なのか?

今年3月、フェイスブックから8700万人の個人情報不正流用問題を受けて、同サービス脱会の動きが高まっているというニュースが世間を騒がせました。他にもツイッター、インスタグラム、ユーチューブなど多くのネットワーキングサービスがあり、SNSはもはや生活の一部となっています。あなたはこれらのサービスに一日何時間費やしていますか?
 2018年3月ニールセン デジタル株式会社が発表したデータによると、1人1日あたりのスマホ利用時間は3時間7分で前年より16分増加し、アプリの利用時間は2時間41分(前年比17分増)。私も以前は毎日のようにフェイスブックに日・英両語で投稿し、コメントしてくださった方には返事をして、他の方のフェイスブックにも「いいね!」を押してと多くの時間を費やしていました。ですが、6カ月前にフェイスブックへの投稿、そして他の人の投稿のチェックもかなり控えると心がキレイさっぱりしました。
 専門家によると「いいね!」の数を過剰に気にし、何でもSNSに書き込まなくては気が済まない人は、ソーシャルメディアFOMO (=Fear of missing out.取り残されるのが不安になる現象)の可能性があるそうです。「いいね!」をもらうたび、喜びの感情に関連している脳内神経伝達物質ドーパミンが分泌される、と心理学者エマ・ケニー氏は語っています。これはお酒を飲んだときと同じで、飲んで良い気持ちになるともっと飲みたくなるように、「いいね!」をもらうともっと欲しくなります。ケニー氏によると、「他人の意見を事実として受け入れてしまうことは、自尊心の低下につながり、誰かがいいねと言ってくれなければ自分に自信が持てなくなってしまう」そうですが、私はそうはなりたくありません。
 「インスタ映え」という言葉も浸透し、どの年代の人も「いいね!」の数を気にする時代になりました。インスタに載せるためだけに高価な物などを買う人、レストランに1人なのにも関わらず2人分の料理を頼み、あたかもいつも“誰か”と一緒にいるような画像を投稿したりする人もいるようです。人間の心理の仕組みで、自分の言動に賛同、共感してもらうと人は必ず快感を覚えます。 しかし、「いいね!」をクリックする人たちは、深く考えずにそうしているのが現状。多くの人は写真さえも見ず、流れ作業のように自分も「いいね!」をしてもらうためのいわゆるお付き合いで「いいね!」を押しているのではないでしょうか?
 そう考えると、なんのために投稿するのか、遠く離れている親族や友達に自分の近況を知ってもらうためなのか、自分の記録のためなのか、「いいね!」の数のためなのか…人には皆一日24時間しかありません。知らない誰かに、ただ「いいね!」してもらうために、あなたの貴重な時間、労力、お金などを費やす価値はあるのでしょうか?

2018年11月16日号掲載)

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