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マラマ体験ツアー in クアロア・ランチ

古代から引き継がれてきた手付かずの大自然を丸ごと生かしたクアロア・ランチのアクティビ ティーに『マラマ体験ツアー』が新たに登場しました。参加者が「他ではできない体験!」と 感動する、これまでにない体験型ツアーとは?

<クアロア・ランチ>
住所 49-560 Kamehameha Hwy., Kaneohe TEL 808-237-7321 営業時間 7:30am~6:00pm http://www.kualoa.com/jp

<マラマ体験ツアー>
料金:大人 $49.95 子供 $24.95(送迎なし) 所要時間:2時間 催行時間:日によって催行時間、空き状況が変わります。 参加条件:5歳以上(12歳以下は大人同伴)

神聖な地、砂糖精製工場、戦時中は基地となったクアロア・ランチ


映画のロケ地として観光で有名な『クアロア・ランチ・ハワイ』。実は在住者も楽しめる所 なんです。 まずはクアロア・ランチのおさらいから。

広大な土地は東京ドーム450個分の広さ。古代 は王族しか入ることが許されなかった神聖な場所でした。1850年にカメハメハ三世の相談 役ゲリット・P・ジャッドさんが1300ドルで譲り受け、サトウキビ栽培を始め、オアフ島最 初の砂糖精製工場が作られました。1900年代に牧畜を開始し、クアロア・ランチが誕生し ます。ところが第二次世界大戦時は軍所有の沿岸防御用の基地に。そして戦後、さまざまなア クティビティーも楽しめる牧場へと進化していきました。

現在は、観光産業だけでなく、地元の子どもたちへの教育プログラムや、農業や養殖、自然 資源の保護、クリーンエネルギーへの転換、廃棄物削減など、サステナブルな活動にも力を入 れているんです。

アフプアアって何? マラマを体験する2時間のツアーへ!

「アフプアア」という言葉を聞いたことはありますか? 道路の標識でも目にしますよね。ハ ワイアンの人たちが共同生活をしていた土地区画のことで、山頂から海までピザを切り分けた ような形をしています。雨が山の頂上から滝、そして小川となって、低地に流れ込み、タロイ モ畑を潤し、周辺では野菜が育ち果物が実る…という地理を活用して昔は持続可能な生活をし ていました。

今も残るアフプアア3区画(クアロア、ハキプウ、カアアヴァ)からサステナブルを学ぶツ アーが、『マラマ体験ツアー』。タロイモの植え付けや収穫、ラアウ・ラパアウ(薬草)の手 入れなどを行うのですが、何をするかは参加した日のお楽しみ! という新感覚ツアーです。

パンデミックが教えてくれた サステナブル農法

ガイドは明朗快活なイヴィさん。バンに乗って10分ほどでカネオヘ湾沿いにあるパハロナ・ アグリカルチャーセンターに到着しました。一面に広がっていたのはタロイモ畑。ハワイ語で は「ロイ」と呼びます。タロイモはハワイアンの祖先ともされ、ロイは神聖な場所。ここに立 ち入る前にオリ(祈り)を唱えました。

その後、この土地について少しお勉強です。目の前にそびえる山から私たちが立つ低地まで 約25年かけて水が降りてくること。また、800年前に作られたモリイフィッシュポンドは、 エネルギーを使わないサステナブルな養魚池だということ。

そしてタロイモ畑を守るジェイクさんが登場し、「実はパンデミックが知恵をくれたんだ」 と話し始めました。経費を最小限に抑える必要があって、しかも環境のことを考えるとビニー ルカバーを使うこともためらわれたと。そんな中、ヤシの葉を使うアイデアが浮かんだそうで す。 細かい葉の間にタロイモを植え、その下には日差しを遮って温度を低く保つために新聞紙を敷 いてみたのだとか。すると、土の表面の乾燥を防ぎ、雑草も生えにくくなった。しかも新聞紙 は自然に還る…。

「経費を削減できて環境にも優しいアイデアでしょう? コロナ禍でサステナブル農法を進化 させられたんだ!」と話してくれました。

泥んこ体験スタート!

タロイモの植え付けに挑戦

今回の私たちのミッションは、タロイモの植え付け。ジェイクさんが持っているのは、30セ ンチくらいの筒状の白い丸棒。「この丸棒で測りながら等間隔に植えます。丸棒を立てて穴を 開け、苗となるタロイモの茎を入れ、水田の中の泥土を苗の周りにかけてくださいね」。

裸足になって畑に入ると、深さは大人の膝くらいで、中は滑らかな細かい泥。平らではない ので、転ばないようにバランスを取りながら、それぞれがミッション遂行へ!

濡れた新聞紙は軟らかいので簡単にタロイモの茎を植えることができました。小学生も夢中 で作業をしていて、お父さんはそんなわが子をカメラに収めていました。

ふと足元を見ると、小さなオタマジャクシやカエルが! それを目当てに鳥もやって来るのだ そうです。水田の中に命が育まれて、生態系が保たれているのですね。 そんな豊かな土壌を、イヴィさんは「顔に塗ったら泥パックになるわよ~」と美容に活用。 女性陣は早速チャレンジ。肌がさっぱりツルッとしましたよ。

こうして旅行者も在住者も一緒 になって和気あいあいと、楽しいエネルギーで植え付けすることができました。きっと元気に 育ってくれると思います!

ハワイアンの始祖

タロイモを次世代へ

泥を洗い流し、イヴィさんからタロイモについてのレクチャーです。 最初に、タロイモが ハワイアンの始祖とされるハワイの神話を聞かせてくれました。私たちが植え付ける茎は、葉 と根の部分を切り落とした状態で、ここから新たな茎と葉が出てくるのだそうです。切った葉 と根(イモ)は、ラウラウやポイなどおいしいハワイアンフードとなります。タロイモは6カ 月で成長するのだそう。成長後、再び葉と根を切り、植え付けると生育します。こうして一本 のタロイモが10~15世代まで繰り返し命を育むのだとか。6~7年にわたり命を紡いだタロ イモは、別の場所に移され、最後に花を咲かせ静かに枯れていくと話してくれました。

帰りは、クアロア・ランチで育つ野菜や果物の木々や映画のセット、モリイフィッシュポン ドを眺めるショートツアーを楽しみました。 「リジェネラティブ・ツーリズム」(再生型観光)という言葉の通り、その土地や人と触れ 合い、環境をより良い状態へ再生することに貢献するツアーですが、在住者も直接こんな体験 をできる機会はなかなかありません。楽しみながら気付きをもらえる時間になりました。 今年の夏休みは、「ハワイを知る旅」を計画してみてはいかがですか? たった半日で、豊か な経験ができますよ!

参加者にも感想を聞いてみました!

インターネット上では知り得ないことばかりでした。初めてハワイの歴史に触れ、持続可能な 自然の仕組みを体験しながら学ぶことができて貴重な思い出になりました。このことはみんな にシェアしたいと思います。 ロウさん (テキサス州)
クアロア・ランチは観光を楽しむ所と思っていたのですが、ハワイに向き合うことができました。タロイモ(ポイ)が日本の米のような存在ということも理解できました。ここは自然の遊園地なんですね!  
サイトウさん (ハワイ州)


           リポート:ライトハウスハワイ編集長 大澤陽子


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『クアロア・グロウン・マーケット』で 新鮮なフルーツ、牡蠣、ビーフを買える!

クアロア・ランチは農畜水産物を育て販売し、100%を地元で消費することで地元産の食料供 給、地産地消を実践しています。
■場所 ランチハウス内
■営業時間 木~日曜 10:00am~5:00pm

約60種類の旬の野菜や果物、100%牧草飼育の牛肉など、全てクアロア・ランチを中心にした 地元産の農畜産物

エビや牡蠣は持続可能な方法で育てている。牡蠣は、海水をろ過するため水質保全にも貢献

敷地内で栽培する1000本のカカオの木から製造するチョコレートは濃厚で美味! 一番人気の 商品

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<ハワイ州観光局からのお知らせ>

ハワイの文化、価値観を知るには‘Ōlelo Hawai‘(ハワイのことば)を知ることも一つ。ハワイ 州レスポンシブル・ツーリズム情報サイト『Mālama Hawai‘i』では、基本的なあいさつからハ ワイのことわざまで紹介する特設ページ『ことばで知るハワイ』を公開! ハワイ語が持つ言葉の重みや深さ、ハワイの人々がハワイ語を大切にしてきた理由がきっと見 つかります。

※このページは「ライトハウスハワイ 2022年5月1日」号掲載の情報に基づいて作成しています。最新の情報と異なる場合があります。

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