ハムジパク

ウキウキ気分で過ごしたホリデーシーズンの余韻まだ冷めやらぬのに、目の前にはタックスシーズン再来という厳しい現実が。断腸の思いで税金を納めたのは、ついこの間のことだったのでは？今年もまたそれを繰り返さなければならないのだろうか。僕には物事を単純化してしまうところがあるということは認める。しかし、納税申告書はあまりにも複雑すぎるのではないだろうか。まるで数学のテストみたいだ。誤答を出せば多額を払わなければならないし、まったく解答しなければ刑務所送りになりかねない。だから、このテストがパスできる少数の人たち、すなわち公認会計士を多額を払って雇うしかない。そして彼らは、出来上がった申告書を手渡し、間違いがないかしっかり目を通して確認するようにと言う。万一誤りがあった場合、当方では責任を持ちませんからね、ということだ。見て間違いがわかるようなものならば、わざわざ署名箇所に黄色の矢印シールを貼る必要などないではないか。こんなのはすべて陰謀だ。これが例えばレストランだったら、客はもちろんシェフを信用するし、もしも何か不祥事が起きたら、大抵の場合シェフが謝罪し、支払いをしなくていいと言い、さらにはあれこれいろんなものを無料でくれたりする。だからだろう、シェフが公認会計士よりも好かれるのは。

「ハムジパク」は1989年にワシン・キム氏がロサンゼルスで創業した店だが、シェフも料理もローカル韓国人だけでなく多くの人たちの間で人気を呼んでいる。南カリフォルニアに３店舗（コリアタウンに２軒、オレンジ郡に１軒）、さらにはここホノルルに本土外初の店をオープンするなど着実に成長している。本店は、今は創業者の子供のアダム＆ミミ・チョ夫妻が後を継いでいる。一方ホノルル店は、３年前にカリフォルニアからハワイに移住してきたビジネスパートナーとの共同経営で、オープン早々からホノルルのコリアタウンパブとして盛況を収めている。

このポチャ（韓国版居酒屋）では、ポークスペアリブ、ポークベーコン、済州黒豚バラ肉、味付け牛サーロイン、豚トロ、ハチノス、ヒモなどびっくりするほど美味しい焼肉が楽しめる。ポークキムチシチュー、豆腐とポークの味噌スープ、タラコと野菜スープ、白子と野菜スープ、マイルドなエッグスープ、そしてポークネックシチューなど、汁物やシチューも充実した品揃えだ。

タコとうどん、ハチノス、ヒモなどの炒めもの、そして石焼きキムチライスもある。これらはシェアするのにいい。特に好評を博しているのは、韓国風ポークリブ焼肉と大きなまるごとのジャガイモがどかーんと鎮座して出てくるポークネックシチューだ。どのメニューもボリュームたっぷりなので、大きなグループに理想的。ただ、もし税金の支払いのことを心配しているなら、やめておいた方がいいかもしれない。

ロサンゼルス発の韓国料理というと、どうも僕は塩や酢の効いた大胆な味を思ってしまうのだが、ハムジパクの料理は比較的あっさりめだ。低塩・化学調味料不使用だし、ヘルシー指向の韓国料理ファンには特にありがたいオプションだ。アダム・チョさんは、能率の良さとフレーバー＆色彩にこだわりながら、しかもコクのある味作りに成功している。

ハムジパクは、五感を満たすランチやディナーを間違いなく提供してくれる。だから食事が無料になることはおそらくないだろう。サービスがやや雑に思えるかもしれないが、美味しくてボリュームたっぷりの食事を楽しませてくれるから、そんなことも税金のことも、心配事はすべて忘れさせてくれるだろう。少なくとも、明日の朝目が覚めて、納税日まであと１日減ってしまったことに気づくまでは。

◎ハムジパク/Hamjipark 

919 Keeaumoku Street
☎(808) 379-1993
▶ 営業時間：月～土 11:00am – 3:00pm、ディナー：月～木 5:00 – 10:00pm、金 5:00 – 11:00pm、土 3:00 – 11:00pm、日 4:00 – 10:00pm
▶ 取扱クレジットカード：ビザ、マスターカード

(2019年1月16日掲載）

※このページは「ライトハウス・ハワイ 2019年1月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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