多人種社会での冠婚葬祭

 ある土曜日、有名な政治家の誕生日パーティーに誘われました。前日のお誘いでしたが、本人からの招待だったので、私は日本からの友人を伴って伺うことにしました。
 招待のときに本人が「カードやプレゼントは絶対なしで」と3度も繰り返し言ってはいましたが、私は自作のリボンレイを持って行きました。同伴の友人にも「〝持ってくるな〟と言われても考えるべきよ」と注意したのですが、友人は何も持ってきませんでした。パーティー会場では、私の友人以外の誰もがカードやプレゼントを渡していました。友人はエチケット知らずと思われ私は赤面。
 誕生日パーティー、結婚式、ベビーシャワー、お葬式…。本人のことや相手のやり方を知っていないと、場違いな思いをしたり、恥をかいたりしてしまいますよね?
 とある地元の名士が亡くなったとき、有名な教会の大聖堂での葬儀に呼ばれました。通知には、〝あなたの持っているアロハウエアの中で一番派手なものを着て来てください〟と書いてあり、まさかと思いました。幸い同行の知人がいたので聞いてみると、本当にそれが望まれていることだと。当日、一番派手なアロハウエアで行きましたが、それでも私が一番地味なぐらいでした。
 中国人の方が亡くなったときは、私は普通に黒の装いで行きました。すると会場では皆カラフルな装いで、中国系の人々は赤や朱と黒の2色づかいの服装でびっくりしました。お返しにもらったチョコレートも赤と金色の包装。中国の方にはこれが普通のようですね。
 同伴の知人がいれば前述のように聞くことができても、いない場合は難しいはずです。私の経験を皆さんが参考にしてくれればと思います。
 ハワイではお香典はどうするのかと悩む人も多いようですね。日本のような香典袋はいりませんが、白い封筒に最低でも50ドル、100〜150ドルぐらい入れるのが常識でしょう。封筒には必ずフルネームと住所を英語で書きましょう。金額は書く必要はありません。
 葬儀の後に食事が振る舞われるので、いただく方が無難です。親族のいる席で会食をして、失礼にならないタイミングで会場を出ましょう。その時、飾られていたお花をオファーされたら遠慮せずにもらう方が喜ばれますよ。また、葬儀に呼ばれない場合は内輪だけでのお見送りということなので、気を遣って花やお香典を届けたりするのはかえって失礼になるようです。
 さらに、結婚式の招待状にはウエディング・レジストリーという合理的なシステムがあり、新郎新婦が欲しいものをリストアップしています。高価なものは複数人で購入できて便利です。もちろん、ギフトカードや現金を贈っても大丈夫です。
 多人種社会では複雑な冠婚葬祭も、相手の喜びを最優先に考えて、思慮深くいきましょう。そうすれば、自然にハワイコミュニティーの一員としての地位も築いていけるでしょう。

(2017年7月16日掲載)

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