今回のコラムは(も?)ズバリと言わせていただきます。
私はVisitor Aloha Society of Hawaii(VASH)という非営利団体の副会長兼理事をしています。この団体は「世界各国から訪れる観光客が、万が一事故や事件にあったとしたら、これを助け、またハワイに来たいと思ってくれること」までをミッションとしています。
警察署等から助けが必要な観光客がいるとVASHに連絡が来ます。中でも日本人が頻繁にトラブルに遭うので、私のところへ連絡が来て、場合によっては仕事中でも、夜中でも飛んで行かなければなりません。
最近一番多いトラブルは、レンタカーのトランク内に家族全員のパスポートや現金を含む全ての所持品を置いたままでチェックインの時間まで海岸等で遊んでしまい、盗まれるケースです。警察に聞きましたが、トランクは釘のような物で3秒程度で開けられるんです。一家全員が、所持品を全部失うので大変です。総領事館との連絡、航空会社への便変更の連絡、企業から洋服や食事券等を寄付してもらったりもします。現金はあげられませんからね。
そんなことが続くと「日本人は楽観的ね〜」と言われます。それはもちろん皮肉で、危険をあらかじめ回避するための計画ができない、つまり「世間知らず」と思われているのです。日本人が言う「日本ではありえないから」は言い訳なんですよ。
他にも日本人が嫌われる原因になりそうな事柄はたくさんあります。
◆自虐的・自分に自信が持てない
「いや、私なんかとても…」という言い方は、へりくだっているのでしょうが、これは自分に自信が無いようにしか聞こえません。
◆みんなと同じが好き
日本人は「皆がそうしている」と言われると動きますが、そうでなければ動きませんね。皆が文句を言うと一緒になって言い始めるけれども、一人だと貝のごとく口を閉じてしまうのはなぜなのでしょう?
◆政治に無関心
自分が関心を持たなくとも政治は変わらないと諦めているのでしょうか? でもアメリカ人と政治の話題に入れないとコミュニケーション能力がないと思われてしまいますよ。
◆日本の良さを理解していない
「おもてなしの心」、「和を尊び、他人を思いやる心」、和食、文房具布おむつ…クオリティーの高いものがそろっている日本を忘れて、海外から入ってくるものばかりに目を取られていると思いませんか?
◆仕事人間でユーモアがない
ユーモアは良い人間関係の基本と思っています。会えば仕事の話ばかり…ではいけませんよ。
◆周囲を気にして本音を言わない
本音をはっきり言わず「結構です」というグレーな言葉の使い方が代表的ですね。こんな半端な表現だと、アメリカ人には理解されません。
こんな世間知らずのままでは、日本人は良いところも裏目に出て誤解されます。気をつけましょうね。
(2017年11月1日掲載)