英語で「思考」や「意見」を持つ訓練をしていますか?

 今回は、言葉のことを話したいと思います。英語で相手に自分の本当の意見を伝えるということは、英単語や文法さえ分かっていればできることでしょうか?
 実はだいぶ前に、NYのお得意様と電話中に「日本語訛りが分かりづらいから英語圏の人と話させてくれ」と一方的に言われる出来事がありました。30年以上も英語圏の人々とビジネスをしてきていますから、正直言ってショックでした。しかも彼はフランス訛りが強い人で、なおさらのこと腑に落ちないままでした。数日後のカンファレンスコールで彼の上司と話す機会がありました。私は話す気になれなくて黙っていたので「梨はそこにいるのか?」と言われる始末。そこで彼の部下が言ったことを打ち明け自分の正直な気持ちを言いました。ハワイがNYほど人種が多くて言葉に厳しい土地柄ではないとしても、私自身、英語に対する努力は精一杯してきたのです。上司は「梨の意見が大切なのであって訛りは問題ない」と断言しました。
 最近学んだことに、言葉というのは、そもそも「思考」がなければ出てこないということ、また、「郷に入れば郷に従え」で、その土地ごとのやり方を分かっていなければ伝えられないということがあります。
 例えば、最近車の事故にあったときのことが良い例です。私の場合、自転車に乗った女性が接触して来ました。夕刻時とはいえ見通しの良い道路をゆっくり走っていたにも関わらず、女性が突然ぶつかって来たのです。けれども彼女の怪我が一番心配でした。ところがなんと、彼女と一緒にいた10名ぐらいの仲間が、私を責めて罵声を浴びせたり、車を叩いたりしてきたのです。恐ろしくて車から降りられず、警察が来るのを待つしかありませんでした。
 後から分かったことですが、彼らは薬物を使用していた疑いがあるにも関わらず、女性は弁護士を通して私を告訴しようとしました。でも警察も車の保険会社も私の話を理解し、信じてくれ、告訴もなく話が立ち切れになりました。思えばこんなストレスの多いやりとりを英語でするなんて並大抵のことではありません。長年かけて自分自身が英語で思考や意見を持つ訓練をし、アメリカならではの対処法を学んできた努力が実ったと確信しました。
 次は、英語で人を感動させられるように、日々努力しております。

(2017年3月1日掲載)

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