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太平洋の真ん中に浮かぶ常夏の島ハワイ。サトウキビプランテーション時代に、多くの移民を受け入れてきたこの小さな島の食文化は非常にユニークで、多くの旅人を惹きつけてきた。日本、韓国、中国、フィリピン、そしてポルトガルにルーツを持つ各国オリジナルの料理は、やがてハワイの味と融合し、人々に愛されるようになった。それはまた、ヨーロッパや中近東、東南アジアの料理をも呼び込み、現代ハワイの食文化を形成している。今日は、そんなハワイで、世界グルメツアーに出かけてみようではないか。
(Photos: Taku Miyazawa)

新天地を求めて
モロッコ・レバノン料理

映画「カサブランカ」というハリウッドの名作の舞台となった国、モロッコ。地中海とアラブ両方の影響を受けた多様性に富んだモロッコの食文化に、レバノン料理を見事に融合させたのが、ダウンタウンの人気レストラン「カンザマン」だ。2人のオーナーの出身地がモロッコとレバノンということで成立した新感覚のレストラン。アラジンの魔法のランプに出てくるようなティーポットで飲むオレンジブロッサムティーは、その甘い香りでアラビアンナイトの世界にトリップできる。異国情緒あふれる星空のテラス席は、別世界にいるような錯覚を起こしそうだ。

①シグニチャーサラダ「Moroccan Salad」($9.95)。ハニードレッシングで食べるオレンジとキュウリのグリーンサラダ/②モロッコ料理の定番&人気メニュー「Mezza Sampler」($16.95)は、ハマス、ババガヌーシュなどが一皿に/③モロッコ料理と言えばカバブ。「Chicken Kebab」($18.95)
Kaz-Zaman

◎ Kan Zaman / カンザマン
1028 Nuuanu Ave, Honolulu
☎ 808-554-3847
▶ 営業時間:月~木11:00am~9:30pm/金・土11:00am~10:30pm
▶ Webサイト:http://kanzamanhawaii.com

カハラの住民が愛する
本場ギリシャの味

オリーブツリーカフェ_Souvlaki
串焼きにした肉を温かいピタパンで包んだ代表的なギリシア料理の「Souvlaki」($13.37~14.33)

オリンピック発祥の地でもあり、世界の歴史の重要な舞台となってきた国ギリシャ。ギリシャと言えば、真っ青なエーゲ海と断崖に立ち並ぶ美しい白壁の建物を思い浮かべる。少数ではあるがハワイにも人々は移り住み、祖国の料理を伝えてきた。数少ないギリシャ料理店の中でも、「オリーブツリーカフェ」ではオリーブオイルとヨーグルトでシンプルに味付けをした素材の味を実にうまくいかしたメニューが揃う。ムール貝やイカ、ラムなどのギリシャ人が好む食材と新鮮な野菜が使われ、ヘルスコンシャスな高級住宅地カハラの住人に愛され続けている。

色鮮やかな「GreekSalad」($8.60)は、ギリシャの夏のサラダ。フェタチーズがアクセント

肉厚のムール貝にライムジンジャーのハーブソースが爽やか!「New Zealand Mussels(6個)」($7.64)

◎ Olive Tree Cafe / オリーブツリーカフェ
4614 Kilauea Ave., Honolulu
☎ 808-737-0303
▶ 営業時間:5:00pm~10:00pm

多民族の島ハワイで
浸透し続けるベトナムの味

フォービストロ_Summer-Rolls
「Summer Rolls」 ($6.95)は、ローストピーナッツのソースで

ハワイへの移民は、中国・日本・韓国・フィリピンから始まり、その後、ベトナム系が増えていく。もともと、フランスの植民地であったという理由で入植に遅れをとったが、ベトナム戦争終結後は負けたアメリカ側についたベトナム人が祖国から脱出し、アメリカへと旅立った。一部の人たちは、ハワイにたどり着き独自の食文化を持ち込んだ。「フォー」は太平洋の真ん中の小さな島で広く根付き、ベトナムの味が浸透するのに貢献した。「フォービストロ2」は、移民のオーナーが独自のスパイスバッグを作り、何時間もかけて作る秘伝のスープが自慢。

全部入り!「Pho Combination」($9.45)。牛の胃袋、腱なども柔らかく美味

「Green Papaya Salad」($8.95)は、甘酸っぱ辛いという食欲を刺戟する味。シャキシャキ感に夢中!

◎ Pho Bistro 2 / フォービストロ2
1694-C Kalakaua Ave., Honolulu
☎ 808-949-2727
▶ 営業時間:月~土10:30am~3:00pm,4:30pm~9:00pm/日11:00am~3:00pm,4:30pm~8:00pm

意外?フィリピン料理は
日本人の口に合う

マックスズオブマニラ_料理
①「Max’s Fried Chicken」(14.75)は、皮がパリパリで中は柔らかく食べやすい/②「Bangus Sisig」($16.50)細かく刻んだミルクフィッシュをショウガで味付けした鉄板焼き/③フィリピン風野菜シチュー「Pinakbet」($9.50)。ニガウリやカボチャ、ナス、エビ、オクラの煮込み/④別名「血のスープ」と呼ばれるフィリピン伝統のポークの煮込み。「Dinuguan」($9.95)/⑤「Lumpiang Shanghai」($8.50)は、ひき肉と野菜のロール。一口サイズで食べやすい

ハワイの人口の多数を占めるフィリピンからの移民。かつて、日系人が移民数で1位だったが、現在はフィリピン系が逆転首位。オアフ島のエヴァ地区にはフィリピン系コミュニティーが存在する。ハワイに3店舗あるファミレスチェーン店「マックスズ・オブ・マニラ」は、そんなフィリピン系コミュニティーの社交の場となっている。料理にはしょうゆや酢といった日本人が好む調味料を多く使うという。ハワイの食文化を楽しむため立ち寄ってみたいものだ。

◎ Max’s of Manila / マックスズ・オブ・マニラ
801 Dillingham Blvd., Honolulu
☎ 808-599-5034
▶ 営業時間:10:30am~9:00pm
▶ Webサイト:www.maxschicken.com

全米でもなかなかない
新ジャンルのミャンマー料理

ダゴン_揚げ豆腐
中ふわふわ、外カリカリの揚げ豆腐。100%ベジタリアンで、ホットなチリソースで食べよう。パクチーが利いて、食欲がわく。「Crispy Tofu」($8.99)

ハワイのエスニックフード界に新風を巻き起こしている「ダゴン」。かつては「ビルマ」と呼ばれたミャンマー連邦共和国出身のオーナーがオープンしたエキゾチックなテイストが話題の隠れ家的なレストランだ。祖国を愛するオーナーが名付けた店名は、ミャンマーの旧首都名だという。
料理には、東南アジア独特のコリアンダー、レモングラス、クミン、ターメリックなどのスパイスがいかされ、タイ・中国・インドを融合したような新ジャンルのテイストが楽しめる。酒類は持ち込み制なので、ゆっくり飲んで料理を楽しみたいなら、エキゾチックな料理に合うビールやワインを用意してほしい。

これを食べるために皆やって来るというシグネチャーメニューの「Tea Leaf Salads」($10.99)。発酵させたミャンマーの茶葉がメイン。いろんな食感が楽しめるエキゾチックな一品

「Noodles:Nan GYI DOK」($10.99)は、柔らかいライスヌードルをココナッツチキンソースに絡めたメニュー

◎ Dagon / ダゴン
2671 S. King St., Honolulu
☎ 808-947-0088
▶ 営業時間:月・水~日5:00pm~10:00pm

パワフルな中国料理は
ハワイグルメの起爆剤

デュードロップイン_料理
①「Sizzling Garlic Shrimp & Scallops」($18.95)ジュージューという音とともに熱々の鉄板にのって出されるエビとホタテ。スパイシーな味付け/②「Sesami Breads」ふわふわのパンは、ゴマの香ばしい香りが人気/③「Ground Pork & Tofu w/Sesami Breads」($13.95)ノーザンチャイニーズポークを使った具をセサミブレッドに挟んで食べる/④「Spicy Sauce Dumpling Chicken & Chive」($8.50)これを食べずに帰れない!モチモチの皮の中には、ニンニクで味付けしたチキンがいっぱい

19世紀後半から20世紀初頭にかけてハワイには移民が多く移り住んできたが、最初に移住してきたのが中国人だ。その後、日本、韓国、フィリピンと続く。中国人が持ち込んだ食文化は確実に定着し、本格宮廷料理から飲茶や香港スタイルまでと幅広い。「デュードロップイン(京露)」は、中国北部の料理がメインの中華料理店。幼少の頃、中国から台湾に移住したオーナーは、台湾の総統の家で料理を振る舞ったほどの実力派。そんな彼の料理がハワイでカジュアルに食べられるとは夢のようだ。活気とエネルギーあふれる店内で、台湾風を加味したユニークな中華を食べれば、ハワイの旅のいい土産話になりそうだ。

◎ Dew Drop Inn / デュードロップイン
1088 S. Beretania St., Honolulu
☎ 808-526-9522
▶ 営業時間:月・火・土・日5:00pm~10:00pm/水~金11:00am~2:00pm,5:00pm~10:00pm
▶ Webサイト:http://dewdropinnhawaii.com

歴史の重みを感じさせる
アイリッシュ・バー

Murphy’s Bar & Grillの店内。英国の雰囲気漂う重厚なインテリアが異国情緒を盛り上げる

毎年、盛大なパレードが開催される「セント・パトリックスデー」。ワイキキだけでなく、地元の学校などでも、生徒はみな緑色の物を身につけて登校する。それほどにハワイで浸透しているが、実は移民としてのアイルランド人は多くない。
 
創業29年の「マーフィーズ・バー&グリル」には、伝統的なアイルランドの料理を求めてハワイ在住アイリッシュが通いつめる。ステンドグラスが美しい店内には、アイリッシュクロスで縫製されたゆったりとしたソファを配置。外観は、レンガ造りでヨーロピアンな雰囲気を醸し出し、古き良き時代のヨーロッパにタイムトラベルした気分にしてくれる。

「Blarney Burger」($13.25)アイルランドでしか作っていないギネスビールを加えたホワイトチェダーチーズが味のアクセント。ビターな大人の味のハンバーグ

「Corned Beef & Cabbage」($16.50)アイルランドの伝統的なメニュー。茹でたコンビーフとキャベツの料理は絶品

Shepherd’s Pie」($17.50)米国の有名な料理ショー「フードネットワーク」でも紹介されたラム肉と野菜をマッシュポテトの中に封じ込めた名物メニュー

◎ Murphy’s Bar and Grill / マーフィーズ・バー&グリル
2 Merchant St., Honolulu
☎ 808-531-0422
▶ 営業時間:月~金11:00am~2:00am/土日4:00pm~2:00am
▶ Webサイト:http://murphyshawaii.com

 
(‘Eheu Autumn 2016号掲載)

※このページは「‘Eheu Autumn 2016」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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