ヌアヌの森と聖地カニアカププ

ハワイのパワースポット:ヌアヌの森のカメハメハ3世の夏の離宮

ヌアヌの森の奥深くにある、カメハメハ3世の夏の離宮。かつてはここで盛大な饗宴が催されたことも

王族たちが愛した避暑地で心静かに内なる自分と繋がる

その昔、天上の神々が降臨し、住処にしていたといわれるオアフ島ヌアヌ。数々の神話が残されているこの地は、緑豊かなコオラウ山脈に抱かれる渓谷で、切り立った峰から幾筋もの滝や岩清水が流れ落ち、鬱蒼とした深い森には、清らかで神秘に充ちたエネルギーが流れています。ハワイ王朝時代には、避暑地として王族に愛されていたヌアヌの森。今回は、その奥にある秘境の聖地を訪ねましょう。

ようやく雨季が終わり、陽光が眩しく感じられる春のハワイ。ここ数カ月の雨の恵みで一面緑に覆われた野山に出かけ、森を歩いてマイナスイオンをたっぷり浴びるのがこの季節の楽しみ。清々しい青空が広がる休日の朝、いつもよりちょっと早起きをして新緑の美しいヌアヌの森へ出掛けました。

竹藪

鬱蒼とした竹薮に分け入ると、幻想的な森の小径が奥へと続く。

ホノルルから西に向かい、H1フリーウェイから右手に進路を取ってパリ・ハイウェイに入ると、やがて両側に山並みが迫り、緑溢れるコオラウ山麓へ入ってきました。10分ほど走り、ヌアヌパリ・ドライブへ右折すると、その先は緑深いジャングル地帯。木立ちの奥から涼やかな渓流の音が聞こえてきます。「ヌアヌ」とは、ハワイ語で涼しいという意味。その名の通り、ひんやりとした空気が流れる森の中を、のんびり癒しのドライブ。道の上まで枝をのばす巨大な樹々のトンネルを潜り抜け、その先の道を進むと、鬱蒼とした竹薮の中に森の奥へ通じる小径がありました。

滝

エマ王妃の沐浴場だった滝。清涼感溢れる渓流の上にふんわり木霊のようなオーブが…。

竹薮に一歩足を踏み入れると、そこは幻想的な世界。森全体に流れるフレッシュな空気がしっとりと身体を包み、心身の奥深くまで染み渡っていくかのようです。この森は、ハワイ王朝時代に王族の避暑地として愛された場所。木洩れ陽の射す樹々の間を歩いて行くと、小径に沿って清らかな水を湛えた疎水が現れ、奥の方から心地良いせせらぎの音が聞こえてきます。さらに進むと、その先に美しい滝が現れました。小さな滝が幾重にも連なるように流れ落ちるこの渓流は、カメハメハ4世の妻、エマ王妃が、沐浴を楽しんだという場所。爽やかな風が吹き抜け、まるで森の精霊たちが戯れているかのような清流に足を浸すと、胸の奥までひんやりとして、足元から心身が清められていくような心地です。しばし目を閉じ、この場の波動に身を委ねていると、滞った感情が自然と解放されていくのを感じることでしょう。

 

カメハメハ3世の夏の離宮

石垣

カニアカププの入口にある石垣。まずここで、この地の精霊にご挨拶。

身も心もすっきりと浄化したら、森の奥にある聖地カニアカププへ。今来た小径を引き返し、右手の木立ちの中に現れる細い坂道を上がって行くと、やがて視界が開けて、樹々の向こうに緑美しい草原と石造りの廃墟が見えてきました。と同時に、どこか凛とした空気が辺り一帯に流れているのを感じます。ハワイ語で「カニアカププ」…陸貝の歌声と名づけられたこの地はかつてハワイ王国の独立に心を尽したカメハメハ3世の夏の離宮があった場所。かたわらには農耕の神ロノを祀るヘイアウがあり、「カフナ」と呼ばれる神官が薬草を育て、傷ついた兵士や病んだ人を癒していたとも言われています。そのヘイアウの石垣の前で、心静かに目を閉じ、この地の精霊にご挨拶。静粛な気持ちで奥へと足を進めます。

どこか神秘的なたたずまいのカメハメハ3世の夏の離宮。のちのカメハメハ4世もここで過ごし、王となるための教育を受けた。

どこか神秘的なたたずまいのカメハメハ3世の夏の離宮。のちのカメハメハ4世もここで過ごし、王となるための教育を受けた。

壁が崩れ落ち、今や廃墟となった離宮は、白人が次々と宮廷の要職に就き、政治も社会も西洋化が進むなか、カメハメハ3世が唯一ゆっくりとハワイアンらしい時間を過ごすことのできた、憩いの場。1847年には、英仏から独立国と認められたお祝いに、王族をはじめ、海外の貴賓から庶民まで、約1万名のゲストを招いて「ルアウ」と呼ばれる饗宴を盛大に催した場所でもありました。そんな歴史に思いを馳せながら、奥の木立ちに入り、静かな時を過ごします。古くからこの地を見守ってきたと思われる大樹に手を触れ、ただ静かに心を澄ましていると、やがて温かな波動が伝わってきました。すべてを受け容れ、慈愛で優しく包み込むかのように。

 

パワースポットへの行き方

エマ王妃が沐浴した滝

ワイキキからH1フリーウェイWEST経由でパリ・ハイウェイに入り、ヌアヌパリ・ドライブへ右折。道なりに進み、水道施設付近で車を降りたら、向かいの竹薮にあるトレイルの入口から奥へ10分ほど歩くと、滝にたどり着く。

カメハメハ3世の夏の離宮

滝からトレイルを戻る途中で、右手の木立の中にある細い坂道を上り、石垣が見えてきたら、その突き当たり。

【写真と文】ヒプノセラピストふなはしまさこ

powerspot_eheu_2012-summer_p12_page1_image1ホノルル在住18年のヒプノセラピスト&フリーライター。東京女子大学心理学科卒業後、富士通を経てハワイに移住。現地情報誌の編集者、ライター&翻訳家として活動するかたわら、2003年より、ヒ―リングサロン『Moe Hawaii』を主宰。「心のエステ」をテーマに、退行催眠や前世療法などの個人セッションのほか、ヒプノセラピー(催眠療法)をベースにしたワークショップ型のヒーリングツアー「6つの聖地と秘境をめぐる、楽園癒しの旅」を開催している。www.moehawaii.com

 
(‘Eheu Spring 2014号掲載)

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