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今注目のハワイのミュージシャン!グラミー賞を受賞したカラニ・ペア

今年のグラミー賞で「ベスト・リージョナル・ルーツ・ミュージック・アルバム」を受賞した、ハワイ語歌唱のアルバム『エ・ワレア』を制作したシンガー・ソング・ライターのカラニ・ペア。ハワイ島ヒロ出身でマウイ島ワイルク在住のミュージシャンです。デビュー・アルバムをひっさげ、ワールドワイドツアー中の大型新人なのです。
 

注目の大型新人、カラニ・ペア

カラニ・ペア世界が注目する米国のグラミー賞。数多いカテゴリーの中で、2012年に作られた「ベスト・リージョナル・ルーツ・ミュージック・アルバム」は文字通り、米国内のご当地に根付く伝統的な音楽部門で、ルイジアナのフランス系移民音楽であるザディゴやクレオール、ネイティブ・アメリカン(アメリカン・インディアン)音楽、そしてハワイアン音楽から選ばれます。過去5回は、ルイジアナ勢が連続受賞、ハワイ勢はノミネートされても受賞には至らず、ハワイ語歌唱やメロディーは全国区にはなりにくいのかと毎年残念に思っていました。2011年以前は最優秀ハワイアン・アルバム賞というカテゴリーがあましたが、受賞するのは、スラック・キー・ギター・アルバムが続き、ハワイ語の歌唱は米国内では人々の感情に訴えにくいのかと、やはり、残念に思っていました。しかし、昨年8月、ハワイ島ヒロ生まれ、マウイ島ワイルク在住のハワイアン・アーティスト、カラニ・ペアのデビュー・アルバム『エ・ワレア』がリリースされた直後、iTunes のワールド・ミュージック・チャートで1位、ビルボード・ワールドミュージック・チャートで12位にランクインしたことで地元ハワイの FM局でもヘビーローテーションプレイがスタート。つまり、全国区から火がついた、「期待」のハワイ出身の「大型新人」となったわけです。

エ・ワレア
エ・ワレア/カラニ・ペア
タイトルの「エ・ワレア」は鳥がさえずり集まるという意味。デビューアルバムながら、ナ・ホク賞で13冠受賞の人気エンジニア&プロデューサー、デイブ・ツシアロンやリムファミリーのメンバーでクムフラのナニ・リム・ヤップなどハワイ音楽界の重鎮もサポート。12曲中7曲がオリジナル。カラニ・ペア、ナニ・リム・ヤップと彼女が主宰するハーラウ・マナオラがハワイ島最高峰マウナケアで撮影した「クウ・ポリアフ」は必見。YouTube で試聴可能。http://kalanipeamusic.com

さらに、2017年2月、グラミー賞受賞というビッグ・エピソードが知名度を急上昇させ、今年の第40回ナ・ホク・ハノハノ・アワードでは同アルバムが9部門にノミネート。グラミー賞とナ・ホク・ハノハノ・アワードのダブル受賞という前人未踏の快挙を成し遂げました。アルバム『エ・ワレア』は、ハワイ音楽界の歴史に新たな記録を刻み、ハワイ州民のプライドをかき立てました。

さて、グラミー賞受賞によって、「時の人」となったカラニ・ペア。実は、4歳の時に言葉をはっきり発音できない言語障害と診断され、母親のプアさんは、その克服法として、独唱、合唱を習わせたところ、障害を克服、さらに音楽エンタメ性が開花し、8歳までに州内で開催される数々のコンテストで入賞する、ハワイでは有名な子どもでした。成長するにつれ、音楽スキルは、ハワイ語を自由に操る言語能力も開花させます。ハワイ島プナのハワイ語で教育を行う学校「ケ・クラ・オ・ナヴァヒオカラニオプウウ」卒業、ハワイ語歴は25年。音楽活動の他に、幼稚園でハワイ文化の教師をしたり、ハワイアンリソースのコーディネーターなど文化継承にも貢献する多忙な毎日を送られています。また、その合間をぬっての長期のワールドワイドツアーに突入。日本でのコンサートも楽しみにしたいです。

弱点を人生の武器に変えていった努力家アーティスト、早くも2作目アルバムに多くの期待がかかっています。
 
 

徳重玲子(STUDIO RIM HAWAII 代表)

徳重玲子◎ハワイ在住17年目。ラジオDJ、MC、ライター、イベントディレクター、ビジネスコンサルタントと多方面で活動中。ハワイについての講演会も行っている。イオラニ宮殿の日本語ドーセント。国立新潟大学理学部卒業
www.studiorimhawaii.com
facebook.com/reiko.rogers
twitter@PELEREIKO

(’Eheu Summer 2017号掲載)

※このページは「’Eheu Summer 2017」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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