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ウクレレプレイヤー、ハーブ・オータ・ジュニアがソロ・アルバム「マイ・ウクレレ・ワールド」をリリース

灼熱の太陽の下でもジュニアが弾くカマカ・ウクレレの音色は爽やかだ

世界を飛び回る、オアフ島出身ウクレレプレイヤー、ハーブ・オータ・ジュニア。ウクレレの神様「オータサン」を父に持つ彼の最初のウクレレの先生はグランマ。つまり、オータサンの最初の師であった祖母、はるよローズさん。ハワイ語で優しいという意味のナヘナヘサウンドは、世代を越えてアロハの心と共に受け継がれています。

オアフ島カイムキ出身のハーブ・オータ・ジュニアは、近年、英国、台湾、韓国、タイ、オーストラリア、日本、メインランド各地へ飛び回り、まさに「職業=ウクレレ伝導師」という表現がふさわしい活動を行っています。演奏家としての活動のほかにウクレレ教室を主宰し、ウクレレ演奏家の人口を増やすことにも惜しみない努力をしています。11歳ですでに多忙な父の代打講師を務め、12歳で自分のウクレレ教室を開校していたので、「教える」キャリアは演奏家のキャリアより長く、その教え方には定評があります。

11枚目のソロ・アルバム「マイ・ウクレレ・ワールド」をリリース

一方、プロミュージシャンとして昨年25周年を迎え、音楽人生の新たなチャプターとなったと語る11枚目のソロ・アルバム「マイ・ウクレレ・ワールド」をリリース。今年創業100周年を迎えた老舗メーカー、カマカ・ウクレレを初めて使用したアルバムレコーディングとして注目を集めましたが、カマカとの初対面は生後直後に遡ります。オータサンのために、「ベルシェイプ・モデル」というカスタムモデルを製作した2代目のサミュエル・カマカ・ジュニアは、その5年後に誕生した親友のジュニア誕生を喜び、ベイビーサイズのカマカをプレゼント。今作のジャケットにはその可愛いカマカも左から3番目に登場しています。ジュニアは「ベイビー用のカマカは世界に3本しかなく、その1本が僕の所有。昨年カマカを使い始めたのは、実家に戻った心境です」。「でも、カマカのコアウクレレを0歳児が弾いたの?さすが、サラブレッドファミリーだね」と訊ねると、「でも3歳になるまで触らせてもらえなかった」と苦笑していました。

マイ・ウクレレ・ワールド

My Ukulele World / Herb Ohta Jr.

カラパナのDJプラットと共同プロデュース作品であるため、初めてドラムサウンドを加えた「ショア・ブレイク」も新境地。その気骨感サウンドの一方、定期慰問をしている老人医療施設レアヒホスピタルの患者とスタッフに贈呈した「レアヒ・モーニング」などナヘナヘサウンドも多数。自作の「パラダイス」は私のラジオ番組でヘビーローテ曲です。(公式ファンクラブ日本語サイト

カマカ・ウクレレ100周年記念アルバム
(写真はカマカ・ウクレレのエントランス)

Kamaka Ukulele 100th Anniversary

今年創業100 周年を迎える「カマカ・ウクレレ」の記念盤としてカマカ・ウクレレを愛するミュージシャンが集結。ハーブ・オータ・ジュニア、ジェイク・シマブクロ、ホオケナ、ブライアン・トレンティーノ、タイマネ、マーク・ヤマナカ、ホク・ズッター・マイスター、ライアテア・ヘルム、ベニー・チャン、クアナ・トレス、バイロン・ヤスイ、リオ・サイトーなど24名参加。また、10/16 にはハワイシアターにて記念ライブも開催予定。

 

オータサンとハーブ・オータ・ジュニア
ウクレレ演奏家魂を受け継ぐ父子、オータサンとハーブ・オータ・ジュニアが持つウクレレはそれぞれのカスタムメイド・カマカ

ハワイで誕生したウクレレを弾く演奏家たちとウクレレメーカーとの絆は非常に深いです。また、ハワイのウクレレキッズたちがウクレレメーカーからカスタム提供のオファーがあると、一族あげてのお祝いとなります。このようなハワイの慣習や、演奏家とメーカーの関係が、ウクレレの振興や品質向上に繋がっていますし、日本人愛好家たちの間でもこの弾き手とメーカーのロイヤルな関係は継承されていると思います。今作のライナーノーツには、12年間お世話になったコアロハ・ウクレレファミリーに感謝のメッセージも綴られています。

100年前に創業したカマカ・ウクレレのサミュエル・カマカ・シニアの遺した言葉「楽器のブランド名は家族の名前をつけなさい。そうすれば、決して家族の名前に恥じるものは作らない」。ハワイには、現代もなお、敬愛と使命をもって「受け継ぐ」精神が日常的に息づいています。ハワイの音楽を聴いてなぜか涙腺が緩んでしまったという話をよく聞きますが、元来、日本人が持っていた「受け継ぐ」という魂が呼び起こされるからではないかと思います。

 

徳重玲子(STUDIO RIM HAWAII代表)

徳重玲子◎ハワイ在住16年目。ラジオDJ、MC、ライター、イベントディレクター、ビジネスコンサルタントと多方面で活動中。ハワイについての講演会も行っている。イオラニ宮殿の日本語ドーセント。国立新潟大学理学部卒業。
www.studiorimhawaii.com
facebook.com/reiko.rogers
twitter@PELEREIKO

(’Eheu Summer 2016号掲載)

※このページは「’Eheu Summer 2016」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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