ウクレレレジェンド、エディ・カマエ

今年1月7日、ハワイアン音楽界のレジェンド、エディ・カマエさんがこの世を去られました。シンガー、ミュージシャン、作曲家、ドキュメンタリー映像ディレクター、俳優と多彩な才能は大輪のごとく開花し、私たちに素晴らしい宝物を遺してくれました。生前、カマエ氏にインタビューしたいくつかの記録をたどり、偉大な音楽人生の軌跡をご紹介します。

ウクレレとの出会い

本名エドワード・レイラニ・カマエは1927年8月4日、マウイ島ラハイナに生まれ、オアフ島ホノルルで育ちました。アーティスト名はエディ・カマエ。祖母は、ハワイ王国第7代君主カラーカウア王のお抱えフラダンサーだったそうです。

エディのウクレレとの出会いは14歳。バス会社に勤める兄が、バスに置き忘れられ、持ち主が見つからなかったウクレレを家に持ち帰りました。そのウクレレが、エディの人生を変えるきっかけとなります。

生前のインタビューで、「ラジオから流れてくる音楽に合わせてウクレレを夢中で弾いたよ。その音色に魅せられた。その頃は、ラテン音楽のリズムに興味があって、特にザビア・クガートの音楽が好きだった」。(スペイン人ミュージシャン・ザビア・クガートは、ラテン音楽楽団のバンドリーダー。「ルンバの王様」と呼ばれ、当時、ニューヨークで活躍)。すっかりウクレレにはまったエディ少年は、1本のブラック・コア・ウッドと2本のバリトン・ウクレレの本体を手に入れた後、自分自身の「声」に合う弦を探しまくり、やっと見つけたカイルアの音楽ストアで弦の「大人買い(全て買い占め)」をしたという、10代にしてこだわり派の音楽家でした。19歳でワイキキのステージデビュー。この頃、後にウクレレの神様と呼ばれる「オータサン」(当時12歳)が、エディの演奏に影響を受け、2人の友情もスタートします。

エディー・カマエとオータサン

エディー・カマエ(左)とオータサン(右)

ウクレレを習いたいというオータサンに対して、エディは「魂の感じるままに、自分のやりたいという音楽をやりなさい」と伝授したのだそう。そして、60年代後半〜70年代にかけて、ハワイアン・ルネッサンス(ハワイ文化復興)の立役者の一人として、眠っていた19世紀の音楽を次々に録音し、世に紹介する活動をしました。

現在、多くのハワイアントラディショナル音楽が、ミュージシャンにカバーされ、録音されるようになり、フラダンサーがメレフラとして踊ることができるのは、エディ・カマエ氏の地道な活動があったからだと思います。また、高度な演奏が要求される楽曲を4つの弦で奏でる、つまり、コードとメロディを一緒に弾くという演奏スタイルを確立し、ウクレレ本来の伝統的かつクラシカルな演奏スタイルだけでなく、リズム楽器としてのウクレレを世に送り出したのもカマエ氏。彼は画期的な音楽イノベーターでもあったのです。ハワイ生まれの楽器が、今日、世界中の人々に愛される楽器になったことは、彼の功績と言っても過言ではないと思います。

ウクレレ・レガシー、エディ・カマエ / Eddie Kamae

エディ・カマエ

イエスタディ&トゥデイ/エディ・カマエ・アンド・ザ・ソンズ・オブ・ハワイ

奥様ミルナさんにささげた代表曲「E KU’UMORNING DEW」収録。1973 年、ハワイ大学のハワイ語の教授をしていたラリー・木村氏と奥様であり木村氏の教え子であったミルナさんと夕食をとっているとき、ふとメロディーが浮かび、録音。そのメロディーに木村氏と共に歌詞を付け、永遠のラブソングが生まれました。数多くの演奏家にカバーされています。
sonsofhawaii.com

ウクレレ・レジェンズ・イン・コンサート

ウクレレ・レジェンズ・イン• コンサート
2010年2月10日ホノルル市で開催されたコンサートのライブ&ウクレレ四天王(ビル・タピア、エディ・カマエ、ライル・リッツ、オータサン)のインタビュー収録。プロデューサー関口和之氏。私はビデオの構成&インタビューを担当。貴重なライブ音源とオータサンの特別ライブ収録。全日本語字幕付き。
購入方法は、poepoejapan.com/shopping/item/dvd/1350/

笑顔が素敵なカマエ氏のインタビューで印象的な言葉は「私の人生=ウクレレ。ウクレレがあればそれでいい。ウクレレの音色は人を幸せにするし、何より自分も幸せだ」。

 

徳重玲子(STUDIO RIM HAWAII 代表

徳重玲子◎ハワイ在住17 年目。ラジオDJ、MC、ライター、イベントディレクター、ビジネスコンサルタントと多方面で活動中。ハワイについての講演会も行っている。イオラニ宮殿の日本語ドーセント。国立新潟大学理学部卒業
www.studiorimhawaii.com
facebook.com/reiko.rogers
twitter@PELEREIKO

(’Eheu Spring 2017号掲載)

※このページは「’Eheu Spring 2017」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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